"書評"の記事一覧

Polish Radio Experimental Studio (PRES)

 先日、ドイツでの音楽関連著作物を物色していると Kehrer verlag から2019年に刊行された『Ultra Sounds The Sonic Art of Polish Radio Experimental Studio (by David Crowly)』が目に留まり、瞬時に興奮を抑えきれない私が居たものでありました。 …

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楽典と音楽理論の違いとは!? スティーヴ・ヴァイ著『VAIDEOLOGY(ヴァイデオロジー)』を読み解く

 2019年10月下旬スティーヴ・ヴァイの著書となる『VAIDEOLOGY─ヴァイデオロジー─ ギタリストのための初級音楽理論』がシンコーミュージックから坂本信氏の訳で発刊となりましたが、英語版の方はHal Leonardから1年ほど前に刊行されており、あらためて本の確かさという物が窺い知れるという物です。

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『シェーンベルク音楽論選 様式と思想』(ちくま学芸文庫)待望の発刊

 2019年9月10日。筑摩書房から『シェーンベルク音楽論選 様式と思想』が文庫化として待望の発刊となった訳でありますが、文庫化が意味する様に過去の刊行物の復刻という事でもあります。  本書は嘗て三一書房から『音楽の様式と思想』というタイトルで刊行され、シェーンベルク自身が著す国内刊行物として十二音技法のそれが詳らかにされ…

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『THE BEATO BOOK 3.0』へ更新す

 昨年の11月でしたか、リック・ビアト氏の頒布する音楽理論書『THE BEATO BOOK 2.0』について語ったブログ記事を掲載したのは。それから1年と経たぬ2019年9月5日に、ビアト氏からのお知らせメールで『THE BEATO BOOK 3.0』更新の報せがあり、早速ダウンロードする事に。

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『シュトックハウゼンのすべて』を読んで

 2019年2月末、アルテスパブリッシングから松平敬著『シュトックハウゼンのすべて』が刊行されたのは記憶に新しい所であり、待ちに待った音楽書の発売に胸を躍らせ、シュトックハウゼンの全作品が網羅されるそれを拝読、否、拝戴させていただいたのでありますが、それにしても素晴らしい本が刊行された物だなと感服する事頻りであります。作品毎に断章を取っ…

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『THE BEATO BOOK 2.0』を自家製本す

 今回の話題はリック・ビアト氏の著書『THE BEATO BOOK 2.0』を取り上げる事に。YouTubeでは夙に話題のひとりでもあるビアトさんの繰り広げる音楽理論の話題は兎にも角にも多岐に亘っており、それが機能和声の範疇には収まらない物なので興味を惹き付けて已まぬ方でもあり、私自身、ビアトさんのバイトーナル(複調)関連やホールズワー…

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『ハインリヒ・シェンカーの音楽思想』を読んで

 調性音楽の音楽的文脈や骨格を分析にするに当り「シェンカー分析」や「シェンカリアン」という言葉を、音楽を志す者は一度は耳にした事があるとは思います。機能和声にて厳格に取扱われるのは長調の世界観であり、短調というのは多義的な側面を多く含みますが、それを解釈する側には多義的な解釈のままを許容せずに一義的な解を求める様にして解釈しようとする者…

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杉本拓著『楽譜と解説』を読んで

 私のブログは茲の処、音楽書関連書評の話題が続いているのでありますが、今回取り上げる音楽書〈杉本拓著『楽譜と解説』〉を取り上げたいが故の事だったのです。これまでの書評に関して私が述べていた脚注と出典の重要性やらシカゴ・スタイルが好みではないというそれも、今回取り上げる書籍の脚注の類が概ね愉しく読む事のできる物ではないかと思い、刊行順とし…

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木石岳 著『やさしい現代音楽の作曲法』を読んで

 政治学、社会学、音楽学などの界隈では「近代・現代」というキーワードは頻繁に使われる物ではありますが、それらが表わす言葉が明確に統一が図られて呼ばれている物ではありません。研究分野それぞれに各様の別けられる年代はあるとは思いますが一義的な解釈という風にはなっていない物でありますし、それらをひっくるめて「近現代」などと呼ばれる事も珍しくは…

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東川清一著 『音楽理論入門』(ちくま学芸文庫)を手にする

 2017年、菖蒲も咲き始めたGW明けの5月、筑摩書房から上梓されたちくま学芸文庫の内の1冊に、今回の記事タイトルとした『音楽理論入門』(ISBN 978-4-480-09795-8)を手に取る事となった私。奥付の日付は5月10日ですが、私が手にした日は5月11日でありました。袖珍サイズの文庫本ですから譜例や図版などは相当小さくなって印…

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『感情で釣られる人々 なぜ理性は負け続けるのか』を読んで

 世知辛い世の中、現今社会に嘆息する事は決して少なくないのが現状でもあります。その嘆息する源泉は果たして政治に対して己の期待する方とは異なる方面に政治が動くからであろうか。実はこの期待値こそが陥穽なのではないかとも思わせる程に、今回のブログ記事タイトルに用いた堀内進之介著『感情で釣られる人々 なぜ理性は負け続けるのか』(集英社新書)を読…

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『ハービー・ハンコック自伝 新しいジャズの可能性を追う旅』を読んで

 原著では”Herbie Hancock with Lisa Dickie”とクレジットされている現在も存命中の現今ジャズ界の数少ない生ける証人のハービー・ハンコックの自伝なのだから、これには刊行前から一際注目していた物でした。DU BOOKS出版から川嶋文丸訳になるという事はネット情報で刊行前から掴んでいたものの、私の当初の予想として…

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『新しい和声』〜藝大和声から芸大和声へ!?〜

 林達也著『新しい和声』アルテスパブリッシング刊が上梓され、どういう側面での新しさに踏み込んでいるのか!? という視点で比較考察してみました。体系を重んじ乍ら現今社会(音楽界)で蔓延る現実とどのように対照あるいは同居させているのか興味深い所です。では早速書評から。

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2014年音楽関連書籍私的ランキング

 今年も私的ランキングを語る季節がやってきたのでありますが、2014年度の音楽アルバムのランキングは行わない事にしました(嗤)。  その理由はあまりにも新譜が少なく、その中で気に入った物は多いものの、買った物を単に列挙する様になってもアレなので、そうすれば「楽曲」ランキングをすればいいのでしょうが、4つ星&5つ星クラスの曲に遭遇し…

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