敷衍され迆《ゆ》く微分音

 12等分平均律の世界に於て一定以上の半音階的音楽社会に馴染んで来た頃、嘗て耳にしたジャコ・パストリアスの「トレイシーの肖像」の中盤に用いられる第11次倍音の捉え方に変化が起きた事を今猶思い返す事があります。

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『THE BEATO BOOK 2.0』を自家製本す

 今回の話題はリック・ビアト氏の著書『THE BEATO BOOK 2.0』を取り上げる事に。YouTubeでは夙に話題のひとりでもあるビアトさんの繰り広げる音楽理論の話題は兎にも角にも多岐に亘っており、それが機能和声の範疇には収まらない物なので興味を惹き付けて已まぬ方でもあり、私自身、ビアトさんのバイトーナル(複調)関連やホールズワースを題材など氏の論考に疑念を抱く事などなくその確かなる論考にいつも深く首肯している一人であります。とはいえ私の音楽ネタはビアトさんを元にしているのではないのですが、ある程度音楽の高次な部分に触れようとすると、その志向性は同じ方向を向く所があるので共通する様な物を感じてしまうのであり、同時にシンパシーを感ずる物でもあります。

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