『ハインリヒ・シェンカーの音楽思想』を読んで

 調性音楽の音楽的文脈や骨格を分析にするに当り「シェンカー分析」や「シェンカリアン」という言葉を、音楽を志す者は一度は耳にした事があるとは思います。機能和声にて厳格に取扱われるのは長調の世界観であり、短調というのは多義的な側面を多く含みますが、それを解釈する側には多義的な解釈のままを許容せずに一義的な解を求める様にして解釈しようとする者…

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エッティンゲンに見るDクレフ

 唐突ですが、今回はエッティンゲンが用いた「Dクレフ」について語る事に。D-clef すなわちニ音記号とでも訳せば良いでしょうか。Arthur Joachim v. Oettingenに依る1905年の論文 'Das duale System der Harmonie in Annalen der Naturphilosophie' 4…

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